ペドフィリアとアート

一過性の希有な事件ではなく、土壌深くに根を張る菌糸の様に、世界各国に蔓延していた『小児性愛』。

ハリウッドだけではなく、カトリックでも長年に渡り、少年に対する性的虐待が慣習化されてきた。

精通のない男児や初潮のない少女に対して、保護すべき社会や大人が性対象にする事は断じて許される行為ではない。

そして現代アートの中でも、この『小児性愛』の片鱗が見られる作品が多い。


パトリシア・ピッチニーニ  patricia puccini

遺伝子操作された様なクリーチャーと子供達が無邪気に戯れている世界観ある作品。一見SFファンタジーの様な重厚なストーリー性が垣間見られ、また魅力あるキャラクターの数々が登場し、あたかも映画のワンシーンの様な気持ちさえさせる。

しかし、背中が甲虫の様な殻に覆われ、子供をコモリガエルの様に体内で飼育している中年男性の様なクリーチャーが人間の子供と添い寝をしてたり、カマキリの鎌の様な中年男性の顔をしたクリーチャーがクランプスがごとくベッドの上で子供に微笑みかけたり、

子供の無邪気さを隠れ味にし『性』や『種』『摂理』といった荘厳たる垣根を恣意的に取り払う危うさが見受けられる。


キム・ノーブル  kim noble

彼女は自らの虐待経験を元に作品を作り続けてきている。

脳裏から追い出したい残酷な経験と、曖昧化した記憶が入り乱れ、虐待の現場がまざまざと原色で描かれ、そこでの人物は影として描かれている。

そして捕食者たる大人は巨大に描かれ、逆に子供達はぬいぐるみの様に小さい。

ナイフ、鞭、猿轡、拘束具、ペニスに怯えた子供達は膝まづき、四つん這いになり大人達に凌辱されている。見るに耐えたい作品の数々である。


マルギ・ギアリンク  margi geerlink

『生』と『性』に横たわる『時間』を恣意的ずらし、『成育』のショートカットを同時間軸に捉えたフォトグラファーである。『小児性愛』のメタファーと言っていい。


ビリャーナ・ジュルジェヴィッチ BIljana Đurđević

生気のない少年少女が拘束され、吊るされ、陳列され、『小児性愛』のコモディティ化を意図した作品である。

作品一部のタイル模様がエプスタイン島の施設と酷似しているとも言われている。


ルイーズ・ブルジョワ Louise Bourgeois

六本木ヒルズにもある巨大な蜘蛛のオブジェの製作者で有名な彫刻家。また彼女はジェフリー・ダーマーの被害者を模した金のオブジェや巨大な男性器のオブジェ等を制作している。

彼女の支配的な父は、子供の家庭教師を愛人にして家族と共に暮らしていたという。男性に対する憎しみや母への恋慕の想いが作品のテーマと言われる


(参考文献)